その日やってきた高宮。



「会長と俺で対応に当たってあげる」

「助かります…」

「入院生活ヒマだろうから。はい、パソコンと書類の山」



鬼がいる。



死にかけた俺に仕事させる鬼がいる!!



「ところで留宇ちゃんは?」

「タオル洗濯しに行った」

「そう。甘やかしてやりなよ?ズット泣いてた」

「聞いた…」

「やっぱり17歳には衝撃的すぎたね、あの光景」

「あの光景?」

「雷君に追い出されたって電話もらってから一緒に必要書類とりに深見と雷君の家行ったけど…殺人現場かと思った」



あっ…吐きっぱなしで…。



血塗れ…?



「まさか留宇が片づけ…」

「そりゃあそうでしょ。深見も手伝うって言ったけど自分でやるって。ラグだけは俺が捨てたけど」

「マジか…申し訳ねぇな…」



治ったら好きなとこに連れて行こう…。



でもなんだか…家族っぽくて…暖かい…。



「ヤバいくらい腹減った…」

「絶食でしょ?書類食うなよ?」



食わねぇけど…死ななくてよかった…。