俺様のカゴの中

年齢を偽り働いて、母ちゃんに楽させてやりてぇ。



さんざん殴られて、ずっと苦労してきた母ちゃんを助けてやれるのは俺だけだ。



どうしても高校へ行けと言われ、受けた公立に合格。



バイトは続けながら16になったある日、授業中に担任に呼ばれた。



チャリではなく、担任の車で向かった大きな病院。



そこで母ちゃんは眠っていた。



バカばっかり言って、うざいくらい俺に干渉してくるはずの母ちゃんが…起きなかった。



葬式では泣かなかった。



「まだ40にもなってないのに…気の毒ね…」

「雷君はどうするの?いちばん近いのは叔父さんかしら?」

「ダメよあそこは。会社の経営がうまくいってないって聞いたわよ?」



別にいい。



俺なんか引き取ったって…厄介でしかないんだから。



それに親父が親戚中から金を借りて逃げたことも知ってる。



結局、遠い親戚が俺を引き取ってくれたけど、俺はひとりでアパートに住んだ。



生活費ってのは思った以上にかかる。



朝から新聞配達、学校へは行かずにイタリアンレストランの厨房。



夜には交通誘導。



毎日寝るのは5時間。