俺様のカゴの中

思ったことないのに。



虎宇の隣に座り、持ってきた缶ジュースを差し出した。



「開けて?」

「相変わらずだね、留宇」

「開けられるようになったもん。今は開けてほしかったの」

「へへへっ…」



お互いジュースを飲んで、無言の空間。



だけどあたしには心地いい虎宇との時間だ。



「実際寂しい」

「うん」

「留宇がいなくてつまんない」

「うん」

「映画見たって、メシ食ったって。あの家じゃ…何も楽しくない…」



あの家での虎宇の弱音は初めて聞いた…。



あたし…自分のことでいっぱいいっぱいだったかも…。



「留宇がいた頃は笑えたのに今は…笑えない…」

「ごめんね…」

「留宇は悪くない。留宇を強くしてくれた雷さんにも感謝してる…」

「虎宇…」

「俺がいけないんだ。もっと大人にならなきゃ。留宇からも…卒業しないといけないのに」

「しなくていい!!あたしは虎宇が好きだよ…。虎宇がいなきゃ辛くて生きていけない…」

「留宇~!!」



虎宇はもうひとりのあたし。



全ての悪を取り払ってくれた大事な人だから…。