【留宇】



目が覚めたら雷さんに抱き潰されていて。



すごく苦しくて、逞しい腕から抜け出ようともがいたけど全然動かない。



「お疲れだね、雷」

「淳平さっ…なんで!?」

「だってここ、男部屋だし」



男…部屋…!?



ウソ!?



あたしなんでこっちの部屋にいるの!?



あれ…?



昨日の記憶が…あのピンクの飲み物…お酒だったの!?



絶対雷さんに怒られる…。



それより…。



「助けて淳平さん…」

「まだ寝かしといたら?連日仕事漬けだったみたいだし」

「窒息する!!」

「いいじゃん、愛する男の腕で死ねるなら~」



ちょっと…待ってくださいよ…。



狭いから動くスペースもなくて苦しいんだってば!!



笑いながら出てった淳平さん…。



どうやらこの空間にはあたしと雷さんしかいないみたい。



8人が寝れる部屋で雷さんだけ起きないってことは…着けっぱなしの雷さんの腕時計は朝の10時。



すごく寝坊…。



だけど目の前の雷さんの寝顔が気持ちよさそうで起こすのが忍びない…。