残念ながら腰にあんのは俺の手。



逃がすわけなくね?



「あんた留宇にメロメロなの…?」

「見りゃわかんだろ」

「そっか、愛されてんだね…」

「あっ、祐」

「へっ!?」



留宇の友達は相当祐が好きらしい。



まぁ、嫁が世話になってるわけだし…一肌脱いでやるか。



「留宇、ちょっと食っとけな?」

「なんで!?」

「お前…ソラだっけ?ちょっと来い」



確かいいものがバッグの中にあったはず。



部屋に運んだ荷物の中から取り出した巨大テーマパークの招待券。



「祐はこういうとこ、スゲー好きだ」

「ウソだ!!似合わない!!」

「信じねぇならいら…ねぇんだな?」

「しししし、信じる!!でも…留宇と行かなくていいの?このチケット高いじゃん…」

「もらいもんだ。ついでに留宇は遊園地系が苦手。告んならもっと深めてからにしろ」



祐は警戒心が強い。



女には特に。



打ち解けなきゃ確実にフられる。



「ありがとう…。祐誘ってみる!!」



いいことした気分。