俺様のカゴの中

言葉に詰まっていると、大きな手に強制的に雷さんの方を向かされた。



切れ長の目が『早く言え』と言ってる…。



その目を見てしまえばウソはつけない…。



「バイト…やめた…」

「それで?」

「松居さんに…抱きしめられてしまいました…」



一瞬雷さんの眉間にシワが寄った。



怖い…よ…。



雷さんが口を開いた時、ガチャッとドアの開く音。



「雷君、俺帰るっ…留宇ちゃ…」

「お疲れ、高宮」

「なに…して…」

「説教、だよな?」



雷さんのいつもより低い声に頷くしかなくて。



助けなんて求められる状況じゃない…。



「じゃあ…頑張って…」



い、行かないでっ!!



なんて声が出るわけもなく。



片手をあげた雷さんから恐ろしい一言。



「これで会社には誰もいねぇな」



冷や汗が出る…。



雷さんがあまりにも怖くて…。



「会社で、ってのも粋だよな?」

「どんな…意味…?」

「俺の上…乗ってみっか」



ぜ、絶対ダメ…。