【留宇】



花井君との一件の真相は雷さんに語ってない。



聞きたくないと言われてしまったから言えなかった。



それは言い訳もできないって意味で、雷さんからしてみたら約束を破ったあたしが悪いという意味だ。



そういう店で雷さんはあたしを甘やかさない。



あの時の雷さんほど怖いものはないと思った。



離婚なんて絶対イヤだもん…。



「雷さん、朝だよ」

「うん…」

「起きないと会社に遅刻しちゃうよ?」

「俺偉いから…怒るヤツいねぇし…」

「んなぁ!?」

「一発付き合えよ」

「ちょっ…」



朝から!?



冗談じゃない!!



学校行けなくなる!!



「絶対イヤ!!」

「いっ…」

「エロオヤジ!!」



枕で一撃して逃げた。



雷さんって前はもっと落ち着いてたよね?



結婚してから…エロい!!



キッチンで焼きたての食パンを切った。



チーズ乗せて焼こう…。



コーヒーもOKかな?