俺様のカゴの中

すげー非常識な時間だってのはわかってても、やっぱり譲れない。



夜は親がいないらしく、かなり好都合。



「留宇、寝てるけど」

「連れて帰る」

「待ってよ。留宇の話聞いたの?」

「聞いてねぇよ」

「ちゃんと話し合ったら?」

「迷惑かけたな。明日は休ませる」

「「何する気!?」」



声を合わせてそう言う友達と祐。



そんな酷いことしねぇよ…。



ただ話し合って和解するだけだ。



たぶんな…。



案内された部屋に入ると、ベッドに寝てる留宇の目からは涙が流れてた。



「留宇、起きろ」

「雷さん…雷さんっ!!ごめんなさい!!ごめんなさいっ…」

「帰んぞ」

「うんっ…」



真っ赤な目をした留宇が友達に頭を下げ、祐も連れて帰ろうとしたのに、気を使ったのか先に帰れと言われ言葉に甘えた。



待ってたタクシーに乗り、帰る途中も留宇は泣いていて…。



制服姿だし、歳離れてるしで、タクシーの運転手に不信な目で見られた。