いつもは緩くパーマがかかった髪を全部後ろに流す。



なのに今日は無造作ヘア!!



休みの日限定なのに!!



そのまま会社行ったらモテてしまうからぁぁぁ~…。



髪を下ろした雷さんは、上げてる時よりずっと若く見える。



だからダメなのにぃ…。



あたしは走って学校に向かい、雷さんは車で会社。



ギリギリ間に合ったけど…疲れたしお腹空いた…。



「留宇が遅刻ギリとか珍しいじゃん」

「昨日夜中まで雷さん待ってたら寝坊しちゃって…」

「留宇でも失敗することあるんだね」



失敗だらけだもん…。



寝過ごさないだけよかったけど…。



その日は朝から空腹と戦い、お昼にやっと満たされた。



雷さん、何時間寝れたんだろ…。



あたしが寝坊すると雷さんにまで影響する事を初めて知った。



連絡がない日は夜中まで待つのはやめよう…。



ため息をついた時だった。



「藤間 留宇」

「はい!?」



見たこともないキレイな男の子に声をかけられた。