俺様のカゴの中

渋い顔をした雷さんがドアを大きく開けてくれたのは入ってもいいという合図だろう。



「では後ほど」

「連絡します」



タイラさんはここで車へ戻る。



室内なら誘拐はされないだろうしね。



いつもと違う緩い格好の雷さん。



寝てたとこを起こしてしまったのか…。



玄関のカギをかけてから中に入った。



「何しに来た…」

「えっと…」

「もう2時かよ…。酒抜けねぇな…」



怒ってる…よね?



やっぱりアスカの提案は失敗だったかな…。



「誰の入れ知恵かなんてわかってる」

「へっ…?」

「虎宇が留宇をひとりで出すわけねぇから。どうせアスカだろ」



バレてるよアスカ…。



雷さんには全てお見通し?



「遊びに行くなら他の場所に行け」



そう言いながらテレビをつけてあくびをした。



長めの髪をかき上げる仕草にドキッとして。



くわえたタバコに火を着ける雷さんにキュンとした。