俺様のカゴの中

でも泣かない。



雷さんも頑張ってるんだもん。



「慣れねぇ土地でのひとり仕事はキツい…」

「珍しくグチったね」

「まぁな…。浮気してねぇだろうな?」

「うん、してない。早く帰って来なきゃ浮気してやる…」

「ははっ!!なら頑張らねぇと」



早く帰ってきてよぉ…。



寂しくて死んじゃいそう…。



「じゃあそろそろ仕事行ってくる」

「うん、いってらっしゃい…」

「キスは?」

「し、した…」

「じゃあな、チビ」

「雷さんっ!!」

「ん?」



ダメ。



聞きたい。



どうしても言葉が欲しい…。



「好きって言って?」

「はぁ?恥ずかしいだろバカ」

「言ってくれなきゃ泣く…」

「ワガママな猫だな…。愛してる、オヤスミ」



プツッと切れた電話。



ああああ…愛してるって言われた…。



一気に目が覚めてしまい、ドキドキが止まらない。



雷さん…大好きだぁ…。



そして今、絶対ため息ついてるよね。