俺様のカゴの中

雷さんに電話しようと思ったけど、時差があってかけるのが躊躇われる。



今日本が夜の8時…。



アメリカは?



単純計算で早朝?



起きてるかどうかもわからない。



でも高宮さんが放課後に来たってことは電話をくれたのはあっちの時間で夜だったのかな?



なんかわけわかんなくなってきたよぉ~…。



滞在が延びたって言われてもどれくらいなのかわからないし…。



困ったよぉ…。



会いたくなって来ちゃった…。



その日、借りたケータイを握りしめて眠った。



手の中でブルブル震え、びっくりして飛び起きると『藤間社長』の文字。



「はいっ!!」

「寝てたか?」

「寝てた…」

「わりぃな、起こして」

「大丈夫…。寂しかったから嬉しい…」

「ケータイ壊れたのか」

「高宮さんが来るまで気づかなかったの。もう寿命かな…」

「帰ったら新しいの持たせてやる」

「ん…」



雷さんの声が近い…。



泣いてしまいそう…。