俺様のカゴの中

言われて気づくと洗濯物がベランダで揺れてる。



なんだか自分の子供っぽい反抗が恥ずかしくなって顔が熱くなる。



「なにもすることねぇならコーヒー」

「わ、わかった…」



逃げるようにキッチンへ行き、コーヒーをセットする。



アスカにもらったカップを二つ出して注いでから雷さんの元へ。



テーブルにコーヒーを置くとそのまま手を握られた。



左手の薬指に戻ってきた指輪…。



「なくすなよ」



それだけ言ってパソコンに向かった。



もう忘れたりしない…。



ごめんなさい…。



それからしばらく静かに本を読んでいた。



パタッとパソコンを閉じた雷さんがカップを持ってキッチンへ。



「終わったの?」

「やめた。構ってやんねぇと家出する猫がいるからな」

「もう…しないもん…」

「ははっ」



キッチンでタバコを吸った雷さんが隣にやってきて本を取り上げられた。



意地悪な顔っ!!



「どこか行きてぇか?」

「学校で使うルーズリーフ…」

「カワイくねだれば連れてってやる」



意地悪っ…。