俺様のカゴの中

涙が止まってしまって、雷さんの顔をジーッと見てしまった。



「なんだよ…」

「指輪、返して?」

「ダメ。キレてる理由聞くまでは没収」

「話すから…」



そう言うと手を引かれてソファーへ。



テーブルの上のパソコンはやりかけの仕事。



無理に休みを入れたのかもしれないと初めて考えた。



「あのねっ」

「待て!!好きなヤツできたとか言うなら俺に殺される覚悟で言え」

「はい!?」

「いや、冗談抜きで」

「殺人はさすがによくないんじゃ…」

「大丈夫だ、俺もすぐ死んでやる」



いやいやいやいや!!



真顔でそんなこと言われたら怖いんですけど!!



雷さんの雰囲気からしてやりかねないかもしれないと悟り、慌てて口を開いた。



「最近雷さんが飲みに行って帰ってこないから!!」

「から…?」

「構ってもらえないし…朝ご飯いらないって言うし…。頭に来たから…家出した…」

「指輪は?」

「顔洗った時に外したまま忘れてしまって…」



ポカンとする雷さんがなんだかかわいく見えた。