俺様のカゴの中

どうやらこのじいさん、前に会社を経営していたらしい。



経営方針を語ると、なんだか知らないが共感してくれた。



人を使うことの極意とか。



なんだか似てる。



「俺はじいさんみてぇに口がうまくねぇから。社員にどう思われてんのかわかんねぇ」

「見てくれてるヤツはちゃんと着いてくる。自信のねぇ背中見せたら絶対ダメだ」

「そうか、勉強になった」



一緒に風呂から出て、先に部屋に行ってしまったじいさんに笑顔を向けた。



出会いってのは一瞬であろうと人になにかを与える。



そんな気がしてちょっと嬉しくなった。



「雷さんっ!!すっごいお風呂だったよ!!」

「そうか、よかったな」

「なんか嬉しそうだね?いいことあった?」

「留宇が浴衣だからな」

「へっ!?」

「日本人離れした顔のくせに似合うな」



照れた留宇をガブッと食ってやりたくなった。



舐め回してやりてぇ…。



「雷さんの浴衣姿大好き…」



楽しそうだな。