俺はこれからもまだまだデカくなる。



他の業界なら適う気がしないが、この仕事なら負けねぇから。



「新島の傘下に入る気も、手を組む気もありませんので」

「なんのために留宇をやったと思ってるんだ!!」

「なんのため?うちが新島の食品部門を吸収するためですかね?」

「あまり調子に乗るなよ、若造が…。あんな娘くれてやる!!そのかわりうちには二度と関わるな!!」



関わる気もねぇよ。



切られた電話を戻し、ため息。



留宇の帰る場所、なくしちまったな。



何も知らない留宇になんて説明すりゃあいいのか…。



「新社長はやることがエグいねぇ~」

「午後からじゃなかったのか、高宮」

「気になって来ちゃったよ」

「新島からなにかあればことごとく潰せ」

「了解~。やっと楽になる、仕事が」

「だな…」

「明日から新婚旅行でしょ?」

「お前が駄々こねるから国内だけど」

「いいじゃん?仕事ほったらかして旅行行けんなら」



まぁそうだな…。