あたしには関係のないことだと言われた。



「あっ、そう言えば雷さんの店、土曜にオープンするって」

「あたしが行ったとこ?」

「そうそう。どうする?行ってみる?」



あたしが雷さんのお店に行くの?



それってお菓子が食べられる?



「絶対行く!!」

「ははっ、じゃあ服は用意しとくから留宇は楽しみにしてな」

「ありがとう、虎宇」

「言っとくけど俺から離れちゃダメだからな」

「わかった!!」



虎宇が連れ出してくれる。



このカゴの中から…。



次の日、お母さんが実家へ旅立った。



家にはお手伝いさん数人とあたしと虎宇だけ。



当たり前のように監視の目は厳しい。



両親の留守中になにかあったら、全部母か父に筒抜け。



「奥様のいない間、身の回りのお世話をする事になりました、タイラと申します」



見たことナイ人が来ちゃった…。



若い男の人。



やっぱりあたしはカゴの中から飛び立つことはできないんだろうか…。