引っ越して来てから同じ時間に寝たことなんてなくて、ウキウキしながら歯磨きをした。



「まだ寝ないの?」

「1本吸ったらな」



雷さんのタバコを吸う仕草は好き。



学校のみんなはイヤだと言うこのタバコの匂いも雷さんの匂いだからあたしは好きだ。



ベッドルームを指さされ、仕方なくベッドへ。



今日の雷さんは一段と無口だ…。



枕をふたつ、キレイに並べたら布団の中に潜り込む。



雷さん、あたしと結婚することになんの疑問もないのかな…。



あんなに疲れるまで仕事して…。



枕に顔を埋めると、不安がこみ上げてきた。



結婚、やめたくなってないの?



「脱いでねぇのかよ…」

「えっ!?ぬ、脱いで!?」

「ウソ…。今日はそんな体力ねぇな…」



隣に横になった雷さんからはタバコの匂い…。



やっぱり疲れた顔をしてる…。



「雷さんのこと、どうやったら癒せる?」

「手ぇ出せ」

「手?」



あたしの手を握った雷さん。