この家での支えは虎宇だった。



いろんなことを教えてくれたのも虎宇。



あたしを日本に残してくれたのも虎宇…。



兄とか妹とか、そんな関係じゃない気がする。



虎宇は…あたしの一部だ…。



「あの虎宇が泣いた!?」

「変かな…?」

「いや、さすが…だな…」

「ねぇ雷さん…。あたし一生虎宇の味方でいていいよね?」

「いいんじゃねぇの?」

「雷さんも大事だけど、虎宇も大事…」

「お前ららしいよ」



出張先からの電話は毎日来る。



ただ声を聞くだけ。



学校のことも話したりして、なんだかすごくゆったりした時間…。



「お仕事どう?」

「留宇が気にするけとじゃねぇよ」

「うん」

「今日も料理したのか?」

「今日は虎宇が作ったんだよ。すっごくマズかった!!」



虎宇と離れるのは寂しいけど、あたしは早く雷さんに会いたい…。



声を聞いてると余計会いたくなる…。



「明日も朝からだから切るぞ」

「はぁい」

「じゃあな」



切りたくない…。