【留宇】



雷さんが出張に行ってる間、母がアメリカへ帰った…。



さすがに見送りでは泣いてしまったけど、一生会えないわけじゃない。



『いずれ連れてってやるよ』



雷さんもそう言ってくれた。



だから今はあたしと虎宇がこの家に住んでいる。



「結納ってなにするのかな?」

「離婚成立したばっかりだから、結納は簡単にって言ってたけど」

「お父さんと話したの?」

「そりゃあね。留宇のことが心配だから」

「ありがとう、虎宇」



リビングでふたりで映画鑑賞。



虎宇と一緒にいれる時間が残りわずかで、かなり寂しいあたし…。



虎宇も同じ気持ち?



「寂しく…なるね…?」

「雷さんなら別にいい。留宇のこと任せられる」

「そう…だね…」

「でも留宇は一生俺の妹だから。絶対留宇のこと裏切ったりしない。留宇が幸せになるのが俺の願いで…だから…寂しくない…」



嘘つき…。



涙目だよ、虎宇…。



「感動する映画だね…」

「だな…」



アクションの映画を見ながらふたりで泣いた。