俺様のカゴの中

隣のおじいさんは誰?



父って言ったよね…?



雷さんって身寄りがないんじゃないの?



「最近養子になったとか?」

「ワシが気に入って口説いたんだよ。まだまだ洟垂れ小僧だがな」



そう言って笑ったおじいさん…。



雷さんが養子に…?



頭が着いていかない…。



「留宇、挨拶をしなさい」

「は…じめ…まして…。新島 留宇です…」



ドキドキが止まらない…。



まさか雷さんが本当にさらいに来てくれるなんて…。



夢みたい…。



「かわいらしいお嬢さんだ」

「世間知らずですがね」

「それくらいがちょうどいいんだよ、女は」



父とおじいさんが話してて、あたしと雷さんは目を合わせない。



父が雷さんに大学はどこだとか、趣味はなんだとか。



そんなことを聞いていた気がする。



急なドキドキと着物の締め付けで具合悪くなって来ちゃった…。



「さてそろそろ年寄りは退散するかね」

「そうですね。留宇、藤間君に迷惑のないように」



その目はやっぱり笑ってなかった。