俺様のカゴの中

追い出された社長室。



無表情のタイラさんがあたしをエレベーターへ乗せた。



涙が出ない…。



実感がない…。



「ご自宅までお送りします」

「はい……」



世の中なんて知らない方が幸せだったのかも。



友情とか恋愛とか、あたしには必要がないから与えられなかったんだと今更ながら気づいた。



そんなものは邪魔になるだけだから…。



「お嬢様の意志はすぐに折れてしまうのですか?」

「どうすることもできない…。頑張ったのにっ…」

「大事なのは信じる心と自分の曲がらない信念だと思います」

「なにを信じろと!?」

「あなたの心の中にある確かなモノを」



タイラさんの言ってる意味がわからなかった。



頑張っても手に入らないモノは手に入らない。



世の中が甘くないことを知ってしまった。



「お嬢様は頑張りました」

「はい…」

「えぇ、おかげでスムーズに事が運びそうです」

「えっ?」

「さぁ、後はこちらの仕事です。あなたは信じればいい」



あたしは…信じる…。