前から怖いと思ってた。



ただ者じゃないこともわかってた。



俺の予想を遙かに越えていることは…知らなかった。



「でね、雷さんにお願いがあるんだけど」

「なんだ…?」

「この会社の社長になってくれる?」



パンフレットみたいなものがテーブルに置かれた。



そこには大きなビルの写真と食品の輸入会社の名前…。



「個人的にここの会長と知り合いでね、超頑固なじいさんなんだけど」

「待てよ、話が見えねぇ…」

「俺がさっき雷さんのこと推しといた。経営のスペシャリストだ~とか言って」

「だから意味が…」

「探してたんだよ、次の社長を」



その頑固ジジイに子供はいなくて、今は会長兼社長なんだとか…。



なんで虎宇がそんな大物に俺を推すんだよ!!



しがないクラブのオーナーだぞ…。



「相談受けてたからちょうどよかったな~と思ってさ」

「俺ができるわけねぇだろ…」

「じゃあいいよ。うちの会社に吸収して、この話はおしまい」



留宇はどうなるんだよ。