俺様のカゴの中

その日からお腹が空かなくなった。



食欲も、睡眠欲も、なにも感じない。



1日ベッドの上で頭を真っ白にする。



悲しくない、辛くない。



胸は…痛くない。



「荷造りしたの?」

「家政婦さんに任せたよ」

「そう。ごめんね、留宇…」



初めて母があたしに謝った。



なにが?



あたしは辛くなんてないよ?



充電が切れたままになってるケータイ。



読みかけの本すら読む気になれない。



なにもしたくない。



なにも欲しくない。



「お嬢様、引き出しのカギを貸していただけますか?」

「はい、どうぞ」

「ありがとうございます」



必要な物なんて何一つないのに、家政婦さんがあたしの荷物をまとめている。



服も小物も、なにもいらない。



「中の物でいらない物は処分いたしますが…」



引き出しの中にあったのはブレスレットがふたつと、カワイイピアス。



これは…。



「処分してください」

「はい」



あたしには必要のないもの。