俺様のカゴの中

目の前が真っ暗になった気がした。



実の父にそこまでハッキリ言われるなんて思ってなくて…。



心臓の音がやけにうるさくて息ができなくなりそう…。



「留宇はあなたの長女でしょう。体裁が悪いのでは?」

「娘はふたりいれば十分だ」

「自分がかわいがってる女の子どもには随分甘いんですね」

「虎宇、口を慎め」



虎宇の他に兄妹がいるのは知っていた。



女の子だったんだ…。



だから虎宇が大事にされてきた意味がわかった…。



あたしは初めから父に愛されてなんていなかったんだね…。



いらない…なんて…目を見て言われたくなかった…。



「お母さんと行きましょう、留宇」



あたしは物じゃないのに…。



自分の意志だってあるのに…。



違うね、あたしは物だったんだ。



なにも知らずに育てられ、父親にいらないと言われ…。



母が離婚を切り出さなければ会社に有利な取引材料にする。



そんな程度の…何の価値もない人間なんだ…。