わりぃ、アスカ。



よくわからんが泣かせたらしい。



「意味わかんねぇ泣き方すんじゃねぇ」

「でもっ…やっと雷さんと付き合えたのにっ…」



顔を上げさせたら唇を噛んで必死な顔。



お前が今抱えてるもんは何なんだ?



「話せ」

「イヤっ!!」

「だったら俺の前で泣くな」

「お母さんがっ…あたしを連れてアメリカに帰るって!!行きたくないよっ…」



アメリカ?



そういや虎宇も留宇もハーフか。



離婚でもすんのか?



「お前未成年だもんな」

「雷さんのそばにいる!!虎宇と離れないっ…アスカと…友達になれたのにっ…」

「虎宇は知ってんのか?」



フルフルと首を横に振った。



あの虎宇が知らない留宇のヒミツ…。



不謹慎にも少しだけ優越感。



そしてかける言葉が見つからない。



「雷さんと離れない…」

「離れたって、お前が待ってろって言うなら何年でも待ってやるよ」

「雷…さん…」



ははっ!!



俺、重傷らしい。