俺様のカゴの中

法に触れることをしたらこの倉庫を潰す。



たったそれだけのルールを、コイツらはクソ真面目に守ってて酒の一滴も飲まねぇ。



パッと見てわかるのが、アイツだけ別格ってこと。



新島 虎宇。



自信満々で気が強い。



リーダーシップがあり冷静で物怖じしない。



話を聞いたらどっかの御曹司なんだとか。



話を聞いた時、ただのボンボンだとは思えなかった。



アイツは先を見越して限りある自由を有意義に使える頭のイイヤツだ。



だから嫌いではない。



その虎宇に頼まれてたリングを持ってきた。



今日は知らない顔がいる。



小顔で髪が腰まである。



化粧はしてないのに服装はギャル。



天然のデカい目は少しだけ虎宇に似てる気がした。



「このガキ誰の?」

「あっ、虎宇の双子の妹」

「双子だったのか、虎宇って」

「似てねぇよな」

「似てねぇな」



真っ赤な顔でペコリと頭を下げられた。