【留宇】



お母さんと口をきかない日々。



あの時の家出は敷地内に隠れてたことにして大事にはならなかった。



あたしは絶対雷さんと離れないんだから。



「くれぐれもよろしくお願いいたします」

「わかってるって」

「ではお迎えは夜の9時に」



タイラさんに送ってもらった雷さんの家。



今日は待ちに待った水曜日。



黒のTシャツにデニム。



ネックレスとかブレスレットは雷さんのお店で売ってるようなゴツゴツしてるヤツで。



カッコイイ…。



「昨日寝れたか?」

「寝ました!!」

「で、どこ行きてぇの」



タバコ片手にコーヒーを飲む雷さん。



この匂い、雷さんの匂い…。



「遊園地!!」

「…………」

「行ったことないんですよ。ジェットコースターってのに乗ってみたいです」



無言…だよ…?



まさか行きたくないとか…?



でも虎宇に言ったら雷さんにピッタリの場所だって言ってたし…。