俺様のカゴの中

スッと手から缶が取り上げられ、一瞬タバコの匂い。



誰…?



「雷さんっ!!」

「よぉ、ガキ共」



見上げた先にはあたしが飲んでたジュースをゴクゴク飲む男…。



缶を持つ手にはゴツゴツした指輪。



人差し指と中指の間に挟まれた火のついたタバコ…。



「ごちそうさん」



そう言って缶をあたしの手に戻した。



切れ長の目、長めの黒髪…。



虎宇とは全然違うカラダの大きさ…。



目の横に小さな傷痕があるその人。



カラダが痺れたかと思った。



こんなに野性的な人をあたしは見たことがない…。



「虎宇はいねぇのか?」

「今取り込み中。雷さん今日は?」

「頼まれてたリング届けにな」

「珍しい~。しかもシラフ」



『雷さん』と呼ばれた彼は躊躇なくあたしの横へ腰を下ろした。



心拍数が上がる…。



頭がボーッとして息ができなくなりそう…。



この人…カッコイイ…。



カラダが痺れて動けなくなりそう…。