「ねえ、カンゾウさん」


出発してから3時間くらい。歩くのもちょっと疲れて来た頃。

私は思い切ってカンゾウさんにとある事を聞いてみた。

あまり興味はないけれど少しは状況を知らないと、

レーノにも怒られてしまうような気がしたからだ。


「レーノの探している執事さんってどんな人?」


少なくともこれだけは知っておかなければならない。

知らない人を探すのは私だって気味が悪いから。


「ああ、レーノ様が探していらっしゃるのはワタクシの孫です」


少し前を歩くレーノの後ろ姿を見てから、私は驚いた。