時は流れ、三年後。

　僕は幸子と運命的な出会いをする。
　
　当時、僕は、幸子の家の近所で英会話教室の講師をしていた。
　幸子の自宅付近は、駅前はビジネス街、少し奥に入ると住宅街となっており、
子供もビジネスマンも多く通ってきていた。
　英会話教室としては恵まれた商業圏だった。
　ある時、その英会話教室に小学四年生の女の子が体験授業に参加してきた。
　その付き添いに来たのが幸子であり、
体験授業を受けに来ていたのが妹の愛香である。
　
　その時のことを、僕は今も鮮明に覚えている。
　小学四年生の母親にしては、あまりにも若すぎる。
　お姉さんなのかなと思いつつ、
素肌が透き通るほどの白い肌とはまさしくこのような女性のことだと感じた。
　背が高く、すらりと伸びた脚、僕が今まで妄想にふけていた美白美脚美人のイメージにぴったりだった。
　
　英会話教室では体験学習をするだけで、
本コースに移らずそのままやめてしまう生徒が多い。
　しかし、何としても、この子だけは本コースに移ってもらおうと、
僕は本気で思った。
　冷静に考えてみれば、不謹慎である。
　生徒のため、教室のためではなく、
生徒の姉に会えることを期待してのことだ。
　そんなことは重々承知だったが、
それ以上に僕の気持ちは抑えきれないほど、
幸子の虜になっていった。