直に強引に腕を引っ張られて、ごった返したおもちゃ売り場へ到着した。
今、子供の間で流行っているアニメの変身系のグッズ売り場は
俺の娘と同じくらいの子供で溢れ返っていた。
「やっぱ、今はこれだよ!!絶対喜ぶと思うよ~!」
ピンクの丸いリモコンのような物体に、ボタンがたくさんついているおもちゃ。
それを手に持ちながら、直までもが嬉しそうにはしゃいでいた。
「それ、何?」
俺は、そのピンクのリモコンを欲しい欲しいと泣き叫ぶ女の子を見ながら、
直に問う。
「これはね、いろんなボタンがついてて、それぞれ違う音楽が流れるんだよ!ほら!この赤いボタンで変身できるんだから!!」
おいおい。
お前は、どこまで詳しいんだぁ?
お前は、
もしかして…
俺の為、俺の娘の為に…それを調べてくれたのか?

