入学式での挨拶も、すごく胸に響いた。 『一生忘れられない思い出を作ってください』なんて、クサい言葉をくれた。 そんな挨拶をする先生はいなかったんだよ。 先生は、勉強ではない『何か』をいつも教えようとしてくれた。 体育の授業の最初は、先生はいつもちょっとした話をしてくれたよね。 それは、いつも私達の聞きたい話だった。 説教なんてしない。 耳の痛くなるような話じゃない。 先生は言ってた。 『耳の痛くなるようなうるさいことは、他の先生が言ってくれるだろ?』って。