「さすが先生!」 私が濡れた先生の足をタオルで拭く。 「直がどんな遠くに行っても、俺は捕まえるからなぁ!」 「遠くになんか行かないよ。」 今度は私が先生の肩に頭を乗せた。 先生の右手が私の肩を抱き寄せてくれる。 無意識に合わせる呼吸。 いつからだろう。 先生の呼吸に自分の呼吸を合わせるのが 癖になっていた。 初めて一緒に眠った夜に 先生と同じ速度で息を吸い、息を吐いた。 人の呼吸を意識したのは初めてだった。 ひとつになった気がして嬉しかったんだ。