猫の後ろ姿を見ながら、先生はまた私を抱きしめた。


「邪魔されちゃったなぁ…じゃあ、もう一度。」



ほんの数分で太陽の位置が変わっていた。

先生の顔が近付いても、太陽の光が目に入り、眩しくて目を閉じた。





「あ…また邪魔されたぁ。」


唇を離した先生。


その視線の先には、子供が2人海岸に向かって走って来ていた。




「…また、あ・と・で!!」



先生は私の頬に人差し指でツンツンとしながら、かわいい顔でそう言った。




「先生、かわいい!!」



「直の方がかわいい!!」




立ち上がった私達は、お互いの顔に付いた砂を払った。



「海入るか!」


先生が海に向かって走り出した。


もちろん私はその後ろを追いかける。



「せんせー!!待ってよ!!」