「先生、私も先生のお父さんとお母さんを大事にしたい。」



深緑の葉におおわれた大きな木の下でキスをした。




「俺も。」





一度だけ会ったことのある先生のご両親。



とても穏やかで優しい笑顔が印象的だった。



先生がどっちに似たのかわからないけど、2人とも整った顔立ちをしていた。


お父さんはダンディな雰囲気で、声が先生に似ていたっけ。




照れ屋な先生は

「結婚が具体的に決まったらまた連れてくるから。」


と言い、1時間くらいで実家を出た。




玄関で先生のお母さんが言ってくれたんだ。




「和人をよろしくね。また直ちゃんに会えるのを楽しみにいてるね。」




滅多に実家に帰らない先生だけど、ちゃんと心が繋がってる家族なんだって感じたんだ。