先生は動物が好きだから… 「こっちおいで…」 先生は私を抱きしめたまま、猫に声をかけた。 恐る恐る近付く猫に手を伸ばす。 スイッチが一時オフになった先生が、優しい瞳で猫を見つめていた。 「お前~、俺と直の邪魔するなよぉ…」 先生の優しい手に撫でられた猫は、気持ち良さそうに砂の上に寝転んだ。 波の音に合わせるように 猫が鳴く。 私と先生の手で交互に撫でられる猫は、 しばらくすると、満足気にその場を離れた。