3時過ぎ。 病院に到着した。 さっと車から降りて、助手席から私を抱きかかえるようにして起こす。 「どう?歩けるか?」 無言の私のおでこに先生はそっとキスをした。 「やっとお父さんとお母さんの顔見れるな…」 先生は私の手をしっかりと握り、病院の入口を探す。 田舎の病院なのに、とても大きくて、それもまた私を不安にさせた。 救急用の入口の自動扉は、カタカタと音を鳴らしながら開く。 暗い廊下に赤く光る『救急』の文字。 焦る気持ちを抑え、静かに廊下を歩く。 隣には愛する人。