夢のような時間の終わりを告げる笛の音が聞こえた。 先生に手を握ってもらっているおかげで私は足を動かさなくても 目的地に到着できる。 「先生、ありがと~!」 「お前、泳ぐ気ゼロだろ?俺の方がオヤジなんだからぁ。」 スイスイと泳ぐ先生の背中を見つめながら、私は海の美しさを胸に刻んだ。 「私も手伝う!!」 私は、少し足を動かして先生を助けようと思ったけど、何の役にも立たなかった。 「いいよ。足動かさなくて・・・溺れてるみたいに見えるから!」 先生は、優しく微笑みながらどんどん進む。