「先生、トイレ行ってくるね。」 ベンチで転がったままの上機嫌な先生を置いて、トイレへ行った。 手を洗っていると、庭の方から声が聞こえた。 トイレに行ったことを後悔した… 何を話しているのかは聞こえなかったけど、 その話し声は、先生と雅子さんであることはわかった。 水道から出る水は、生温かい。 鏡に映る私は、日に焼けて少し赤かった。 勇気のない私。 彼女なのに、その会話が終わるまでトイレで待っていた。 堂々と行けばいいのに… 何、遠慮してるんだろう。