先生が一歩ずつ私から離れる足音が聞こえた。
ツバルの少年に話しかける雅子さんの声が聞こえた。
我慢できない。
もうやだよ…
何も言わず、私は部屋に向かって走った。
3人は、『直ちゃん!』と私を呼んだ。
後を追いかけて来てくれた3人が、部屋の前でうずくまる私の背中を撫でてくれた。
「直ちゃん、大丈夫?」
「先生呼んで来ようか?」
「大丈夫だって!!あんな女相手にするわけないじゃん!」
今日初めて会った友達が、私を理解してくれて、私の為に必死になってくれていた。
それが嬉しくて、
いろんな涙が混ざり合う。

