今年の年明けに計画された同窓会が中止になった原因は荒木さんだった。
ゆかりと依子が幹事になって、同窓会を企画してくれた。
そこで、私と先生の事・・・発表してくれるはずだったんだ。
でも、計画途中で知ったこと。
荒木さんがまだ先生を忘れられないでいること…
電話連絡で、荒木さんに電話をかけたゆかりは、荒木さんの切ないほどの気持ちを知って、同窓会を延期にすることを決めた。
わかるんだ。
人の気持ちはそんなに簡単に変わることはない。
ゆかりも依子も私も、本当に好きな人がいるからわかる。
ゆかりもなかなか龍を忘れられなかったし、
依子も、先生を諦めるには時間がかかった。
私だって、荒木さんの立場だったら、きっと今も引きずったままだと思う。
先生との思い出を毎日思い出し、いるはずのない先生の姿を専門学校で探してしまうだろう。
コンパに行っても、他の男性とデートをしても、よけいに先生を好きなんだと感じて、悲しくなるんだ。
「私も諦められないからその子の気持ちわかるなぁ。私なんて2年もあってないのにまだ好きなんだ。会ってなくても、気持ちが変わることがないなんて自分でもびっくり・・・」
茉桜ちゃんは、バイトで一緒だった年上の男の人が好きなんだ。
しかも、2年間全く会っていないのに、気になって仕方がないんだって。
その気持ちも痛いくらいわかる。
私も先生と何年会わなくても、この気持ちは変わらない。

