白いジャージ2 ~先生と青い空~



キキキキーーと鳴くヤモリにも慣れてきた午後9時頃。



さっきまでの不安も消え、楽しく盛り上がっていた。


「体育の先生なんですか?どうやったら、体が柔らかくなりますか?」


咲希ちゃんは、そう言ってみんなを笑わせた。

そんなお茶目な咲希ちゃんも学校の先生に恋をしていた。

先生のおにぎりを食べてる姿に一目惚れしたんだ、と嬉しそうな顔で教えてくれた。



ともちゃんは、卒業した高校の担任の先生がまだ忘れられないでいた。


教師って仕事は、ただ勉強を教えるだけじゃないんだ。


ともちゃんは、その先生に生きること、人を愛すことを教わった。



卒業して1年が過ぎてもまだ、先生以上に好きになれる人に出逢えない、と夜空にため息をついた。


「荒木さんを思い出すね…」


私はポツリと呟いた。

先生は、私の肩に手を回し、その手でぎゅっと肩を抱いた。