「いつから教師になりたかったの?」 その質問に先生は、大きく息を吸って…そのまま瞬きもせずに青い空を見つめた。 「いつからだろう。陸上の選手になる夢も確かにあったんだ。でも、気付いたら教師を目指してた。お前に出逢う為かなぁ。」 伸びてきた先生の両手に顔を挟まれた私は、そのまま先生の胸に顔をくっつけた。 本当だね。 先生が教師になっていなかったら 今の私はいないんだ。 本当の恋を知らないままだった。 お姉ちゃんとの関係も今みたいになっていなかったよね。