全てのものから隠れるように

私と西原は

曇りガラスで囲われたプールに入った



「うわぁ、ここに入ったの初めて」


「そっか、女子は授業ないもんな」


「うん」



そこは

初めて見る場所だった


水が張ってないプールの底に座ると

冷たいような、生ぬるい温度が体に伝わってきた



「西原は泳げるの?」


「泳げるよ。そっちは?」


「すぐ沈んじゃう」


「ふっ、あなたらしいね」



馬鹿にしたように笑った西原


けど

そんな西原の言動も

私には心地よかった