カツ カツ … 足音が遠ざかっていく音 その音が聴こえなくなると 西原の温もりに気づいた 嘘、こんなに近くに居る… 西原の肩の上にあった顔を離す それなのに、余計に近くに感じたのは 西原の視線のせいだった どうして 西原は目を逸らさないの? どうして 私は… 私は 矢田くんが好きなのに 矢田くんを想ってるのに… 私と西原は 互いを抱き締めていた