駅で矢田くんと会った



無理に笑いかけた私に


矢田くんも似たような顔を向ける





「やっぱり別れたくない…」



私の言葉に

矢田くんは少しの沈黙を置いた




別れたくない


別れたくないよ




私の頭は

そのことだけ



どうして矢田くんが別れを選んだのか

聞くことさえ出来なかった




矢田くんは

苦しそうに答えたね



「離れて、お互いに必要だと思ったら戻ろう…?」



私はその言葉に頷いた



その時は


少しでも

ほんの少しでも繋がっていられるなら

希望が残るなら

それでも良いって思えたから