喫茶店を出ると 自転車の鍵を外してる矢田くんがいた 私は少し照れながら矢田くんに近づいた 「時間、大丈夫?」 「急げばね」 時間ギリギリまで一緒に居てくれた矢田くんに微笑んだ 「ありがとう」 「おう、じゃーまた。明日ね」 「うん」 自転車に乗った矢田くんを見送った 矢田くんを見送ること ただそれだけのことなのに その時の私にとっては大きなことだった 恥ずかしくて素直になれない私は 本当に不器用だった