矢田くんの顔をまともに見れなかった



ドキドキが止まらない





先に楽器を磨き終えた矢田くんは

友達とどこかへ行ってしまった




矢田くんが居なくなった部室で

私はやっと息を吹き返したように声をあげた



「どうしよう! どうしよう! 緊張する!」



私の言葉に、友達は笑った



「大丈夫かな? 大丈夫かな?」




何がどう大丈夫なのか……

訳もわからずに言ってた



そんな私に


「大丈夫だよ!」



心強い友達の言葉が

胸に沁みた