夏の合宿 私はこの時も彼を意識してなかったんだと思う だからほとんど覚えてない ただ一つ覚えてることは 二人の先輩が喧嘩になりそうになった時 今にも殴り合いになりそうで 私は怖くてたまらなかった 私は怯えて一人の先輩が部屋から飛び出すところを見ていた すると矢田くんが柔らかい笑顔を見せて言った 「怖かった?」 私は小さく頷いた そのことだけ覚えてる